2012
16th
Archives

HOME > アーカイブ > 2012年 第16回 > 表彰式・記者会見

表彰式・記者会見

表彰式

主催者挨拶
小林啓泰 組織委員会委員長 財団法人民主音楽協会代表理事
表彰式の様子

本日は、お休みの日にもかかわらず、こんなに多くの皆様にお越しいただき、大変ありがとうございます。おかげさまで、本東京国際音楽コンクール・指揮部門も、1967年の第1回目から本年で45年を迎え、今回で16回目の佳節を迎えることができました。
今回のコンクールには、日本で活躍されている指揮者の諸先生をはじめ、世界の指揮界、音楽界を代表する先生方に審査委員を務めていただき、名実ともに、世界的な指揮者への登竜門として、充実した内容の国際コンクールにすることができましたことは、私どもにとって望外の喜びでございます。
これも外山審査委員長をはじめ、審査委員・実行委員の諸先生方、またご後援いただきました外務省、文化庁、東京都、NHK、さらにご協賛くださいましたアサヒビール株式会社、ご協力いただきました公益財団法人日本オーケストラ連盟、東京オペラシティコンサートホールのご尽力に衷心より御礼申し上げます。
そして何よりも、今回、審査の演奏を担当していただきました新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団の皆様の長時間にわたる演奏に対し、心より御礼申し上げます。会場にお運びいただいた皆様にも心より感謝申し上げます。
今回のコンクールには、29か国・地域から、180名の応募があり、6月に行われた書類・映像選考の結果、9か国から24名の皆様が第1次予選に臨みました。そして、第2次予選を経て、2か国・3名の精鋭が本日の本選を迎え、その力を遺憾なく発揮されたわけです。
念し、簡単ではございますがごあいさつとさせていただきます。
ありがとうございました。

入賞者発表記者会見

主催者挨拶
組織委員長 小林啓泰
(財団法人民主音楽協会 代表理事)

本日はご多忙なところお越しいただき大変ありがとうございます。そしてまた、日頃より皆様には民音の事業に深いご理解と厚いご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
まずは厳正な審査にあたってくださった審査委員長の外山雄三先生はじめ、審査委員の先生方、また、参加者の演奏を担ってくださったオーケストラの皆様にこの場をお借りしまして深く御礼を申し上げます。
審査経過を若干ご説明申し上げます。今回の申し込みは29か国・地域より180名の応募があり、厳正な書類審査、映像審査の結果、9か国1地域24名の方が通過され、第1次予選は5か国7名の方が通過、第2次予選は2か国3名の方が通過されました。
昨日(11月4日)に行われた本選の結果、第1位から第3位まで該当者なしとの結果となりました。本選に進出した田中祐子さん、マヤ・メーテルスカさん、石﨑真弥奈さんの3名が入選・奨励賞を併せて受賞しました。
特別賞「齋藤秀雄賞」をマヤ・メーテルスカさんが受賞。また、今回から、主催者として聴衆による投票を行い、最も多くの聴衆から支持を獲得した出場者に「聴衆賞」を設け、石﨑真弥奈さんが選ばれ、石﨑さんには民主音楽協会より金一封10万円をお贈りさせていただきました。本選結果は以上となります。
さて、1967年に第1回<指揮>コンクールを開催させていただき、本年で45周年を迎えることとなりました。初代審査委員長齋藤秀雄先生、2代朝比奈隆先生、3代外山雄三先生をはじめ、多くの諸先生方のご尽力によりまして、アジアを代表する国際コンクールとして高い評価を得るに至り、歴史と伝統を築かせていただきました。
若い指揮者の登竜門として、これまでに入賞者39名、入選者37名、16か国76名を数え、本コンクールのファイナリストのその後の活躍は、皆様よく御存じのとおり、眼を見張るものがあります。
このように有意義な人材を輩出し、音楽運動に貢献出来ましたことを主催者としてこの上ない喜びに思っております。

マヤ・メーテルスカ
(特別賞)

今回のファイナリストは全て女性という新しい歴史も刻まれました。入選された皆様の今後の活躍に大いに期待したいと思います。参加者の方々が表彰後のレセプション会場で、熱心に審査委員の先生方のお話を伺う姿を多く見受けました。10代、20代、そして女性の方々も多く、これからの成長が楽しみです。
今後も若き指揮者の登竜門として世界へ羽ばたく人材を輩出すべく、諸先生方と協力して、力を併せて、微力を傾注してまいりたいと存じます。
結びに本コンクール開催にあたり、外務省、文化庁、東京都、NHK(日本放送協会)のご後援を賜り、公益財団法人日本オーケストラ連盟のご協力、東京オペラシティコンサートホールを快くお貸しくださった皆様に心より感謝いたします。さらにアサヒビール株式会社のご協賛に心より御礼を申し上げたく存じます。
また、組織委員、実行委員、審査委員、関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
本日、ご多忙な中、ご出席くださった方々に厚く感謝申し上げますとともに今後とも本コンクールに暖かいご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げる次第でございます。
大変にありがとうございました。

審査委員長挨拶
外山雄三(審査委員長)

このコンクールには第1回から審査させていただきました。第1回の齋藤先生、第2回の朝比奈先生、その他の巨匠たちの先生方と席を並べて審査してまいりましたが、今回の審査委員の先生方は、特に国際的な感性、アンテナをお持ちの方々がお揃いです。何回かご一緒しましたが、出場者の国籍、民族、男性、女性などは特別なこととはとられない。皆さん自由に審査結果を出されました。最終結果を出すときに、ある点にこだわる方、違う点にこだわる方とおられましたが、基本的に食い違うことはありませんでしたし、無理やりに審査結果を出したことは、今回全くありません。
若い指揮者が世の中に出てゆくことは世界中で大変に難しいことです。ほとんど絶望的ですが、そこで本コンクールが、若い指揮者が世の中へ出ていってもらうためのきっかけのひとつとなれば、私たちとしても大変嬉しいですし、今後とも私たちがなんらかのお手伝いができればと思います。

審査委員より
  • ウェルナー・ヒンク

    この素晴らしいコンクールにご招待下さったことにお礼を申し上げたく存じます。
    私と民主音楽協会との接点は、1980年、ウィーン国立歌劇場初来日公演の時でした。その時の最初のコンタクトには大変良い印象を受けました。その良さを今回、再度確認出来ました。世界のコンクール、様々ありますが、今回のコンクールは非常に潤滑に進行され、その素晴らしい運営に心より感激し、お礼を申し上げたく存じます。
    予選、本選の2つのオーケストラ(新日本フィル、東京交響楽団)は、素晴らしい演奏の質を高めてくださった。出場者が緊張されているとき、合わせることは簡単ではなかったでしょう。残念ながら今回、入賞者は出ませんでしたが、出場者の方々の今後の成長には意味があると思います。

  • アレクサンドル・ラザレフ

    最初に小林委員長の運営ぶりは見事でした。また、外山審査委員長は、非常に賢明な海軍のキャプテンのように、審査を統率してくださった。
    今、コンクールが終了したということは、歴史に残ったということです。女性がファイナルに残ったということは新たな歴史の一歩です。女性の指揮者は多くはないし、男性も他のジャンルの音楽家ほど多くはない。著名な作曲家は銅像があるが、指揮者のそれはない。これからは銅像ができるほどの指揮者になるほど活躍していただきたい。
    運営には心からお礼を申し上げると共に、今後のご発展をお祈りいたします。

  • ヨルマ・パヌラ

    3年前にも本コンクールを審査いたしました。指揮を学ぶということは、ピアノの練習とは異なり、なかなか至難ですがオーケストラで実際に指揮できる機会が必要です。最小限でもいいからオーケストラを振る場、練習の場を提供するひとつの機会があるといいと思います。

  • クロード・サミュエル

    フランスで長年、様々なコンクールの審査委員を務めました。今回のコンクールは、とても素晴らしい運営をされ、出場者も良いコンディションで取り組むことが出来ました。
    指揮者というものは大人になってから将来の可能性が見えてくるものです。
    あるフランスのコンクールで、一人の日本人の若者が入賞しました。若くて無名でしたが、将来の可能性に賭けたのでした。それが小澤征爾でした。今回も将来の可能性に期待したいと思います。

入選者コメント
(左から)石﨑真弥奈、マヤ・メーテルスカ、田中祐子
  • マヤ・メーテルスカ (ポーランド)

    このコンクールは世界的に知られたコンクールです。今回、素晴らしい2つのオーケストラを振る機会に恵まれた体験はありがたいと感謝しています。
    また、齋藤秀雄先生の賞をいただけたことを光栄に思い、今回の参加を機に今後のキャリアをより磨けるよう努力してゆきたいです。

  • 石﨑真弥奈 (日本)

    オーケストラのみなさん、審査委員の先生方、ありがとうございました。素晴らしいオーケストラを振ることが出来ました。今後何を勉強していったらいいか、自らの課題も見えてきました。感謝したいと思います。

  • 田中祐子 (日本)

    予選、本選と2つのプロのオーケストラを振らせていただき、短期間に空気の違いを肌で感ずることが出来ました。良い雰囲気の中で、未熟な私に機会を与えてくださったことに感謝いたします。